診療報酬3.09%引き上げ…病院に行くだけでお金がもっとかかるの?

2026年6月、12年ぶりとなる診療報酬の大幅プラス改定が施行されます。改定率は+3.09%。初診料は30円増の3,000円、再診料は20円増の770円に引き上げられます。

「たった数十円でしょ?」と思うかもしれません。しかし持病で毎月通院している方は年間で数千円〜1万円以上の負担増になるケースも。この記事では改定の中身から、あなたの医療費がいくら上がるかまで丁寧に解説します。

⚠️ 免責事項

この記事は診療報酬改定の概要を一般向けに解説したものです。個別の医療判断や治療方針については必ず主治医にご相談ください。具体的な負担額は加入保険・年齢・診療内容により異なります。

💬 この記事でわかること

・2026年6月の診療報酬改定の中身
・初診料・再診料がいくら変わるか
・通院パターン別の年間負担増シミュレーション
・医療費を抑えるための5つのテクニック

診療報酬3.09%引き上げ|12年ぶりの大幅改定の中身

診療報酬とは、病院や薬局が医療行為に対して受け取る報酬の公定価格です。2年に1度、厚生労働省が改定します。

2026年度改定のポイントは以下の通りです。

項目 改定前 改定後(6月〜) 差額
初診料 2,970円 3,000円 +30円
再診料 750円 770円 +20円
入院基本料(一般) 1,650円/日 1,700円/日 +50円/日
調剤基本料 420円 450円 +30円

1回あたりの増額は小さく見えますが、毎月通院する方にはボディブローのように効いてきます

厚生労働省の公式発表はこちらで確認できます。

あなたの医療費はいくら上がる?負担増シミュレーター

医療費負担増シミュレーター

3つの質問で年間の医療費増額がわかります




3割負担の現役世代で月1回通院している方は、年間で約1,000〜2,000円の負担増になります。持病が複数あり週1で通院している方は年間5,000〜10,000円以上の増額です。

なぜ12年ぶりの大幅プラス改定なのか|3つの背景

背景①:医療従事者の賃上げ

今回の改定の最大の目的は医師・看護師の賃上げ原資の確保です。日本看護協会のデータでは、全産業平均と比べて医療従事者の賃金上昇は遅れており、人材流出が深刻化しています。

看護師の離職率は約11%と高水準で、特に地方の中小病院では人手不足が経営を圧迫しています。

背景②:物価・光熱費の高騰

病院も電気代・ガス代・医薬品の値上がりに直面しています。2023年以降、病院の経営コストは約15%上昇しており、診療報酬据え置きでは赤字が拡大する一方でした。

背景③:2024年改定の「積み残し」

2024年度改定は+0.88%と小幅に留まり、医療界からは「不十分」との声が上がっていました。今回の3.09%には、前回の積み残し分も含まれています。

改定率の推移

・2020年度:+0.55%
・2022年度:+0.43%
・2024年度:+0.88%
2026年度:+3.09%(12年ぶりの高水準)

患者負担は具体的にいくら増える?パターン別シミュレーション

通院パターンごとに年間の負担増額を試算しました(3割負担の場合)。

パターン 通院頻度 1回あたり増額 年間負担増
健康な方(風邪等) 年2〜3回 約30〜50円 約100〜150円
高血圧(月1通院) 月1回 約50〜80円 約600〜960円
糖尿病+高血圧(月2通院) 月2回 約80〜120円 約2,000〜3,000円
人工透析(週3回) 週3回 約150〜200円 約24,000〜32,000円

💬 読者の声

「持病で毎月通ってるから年間2,000円以上増えるのか…地味にキツい」

人工透析など頻回通院が必要な方は年間3万円以上の負担増になりますが、高額療養費制度の上限額に達すれば自己負担は抑えられます。

医療費を抑えるための5つのテクニック

テクニック①:ジェネリック医薬品を選ぶ

ジェネリックに切り替えるだけで薬代が30〜50%安くなります。薬局で「ジェネリックにしてください」と伝えるだけでOKです。

テクニック②:かかりつけ医を持つ

大病院を紹介状なしで受診すると「選定療養費」が7,000円以上かかります。まずかかりつけ医に相談し、必要に応じて紹介状を書いてもらいましょう。

テクニック③:医療費控除を活用する

年間の医療費が10万円(または総所得の5%)を超えた分は確定申告で医療費控除が受けられます。通院の交通費も控除対象です。詳しくは国税庁の医療費控除のページをご確認ください。

テクニック④:お薬手帳を持参する

薬局にお薬手帳を持参すると、「服薬管理指導料」が40円安くなります。月1回の通院で年間約480円の差です。

テクニック⑤:高額療養費制度を知っておく

月の医療費が上限額を超えた場合、超過分が返ってきます。年収約370万円以下の方は月57,600円が上限です。

5つのテクニックまとめ

・ジェネリック切替:薬代30〜50%減
・かかりつけ医:大病院の選定療養費7,000円を回避
・医療費控除:年間10万円超なら確定申告で節税
・お薬手帳持参:年間約480円の差
・高額療養費:月の上限超過分は返金あり

関連記事:電気・ガス補助金終了で家計はいくら増える?負担シミュレーション

よくある質問(FAQ)

Q. 6月より前に受診した方がお得?

改定は6月施行のため、5月以前の受診は旧料金です。ただし「値上げ前に駆け込み受診する」ほどの金額差ではないので、必要な時に受診するのが一番です。

Q. 歯科も値上げされる?

はい。歯科も診療報酬改定の対象で、初診料・再診料が引き上げられます。定期検診の費用も若干上がる見込みです。

Q. 健康保険料も上がる?

診療報酬改定で医療費総額が増えると、中長期的には健康保険料の引き上げにつながる可能性があります。ただし2026年度中の保険料率変更は未定です。

Q. オンライン診療は安くなる?

2026年度改定ではオンライン診療の点数も引き上げられます。ただし対面診療より低く設定されているため、通院の交通費を含めるとオンライン診療の方がトータルで安くなるケースは多いです。

まとめ

・2026年6月、診療報酬が3.09%引き上げ(12年ぶりの大幅改定)
・初診料+30円、再診料+20円、入院基本料+50円/日
月1通院の方で年間約1,000〜2,000円、持病複数で年間5,000円以上の負担増
・ジェネリック切替・医療費控除・高額療養費制度で賢く対策を

※この記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスではありません。具体的な治療方針は主治医にご相談ください。