男女賃金差の公表義務が2026年4月から101人以上企業に拡大

「同じ仕事をしているのに、なんで給料が違うの?」そんな疑問を感じたことはありませんか?

2026年4月、改正女性活躍推進法が施行され、常時雇用労働者101人以上の企業に男女賃金差の公表が義務化されます。これまで301人以上の大企業だけが対象でしたが、一気に対象企業が拡大しました。

この記事では、転職を考えているあなたに向けて、公表データを使って本当の年収を見抜く方法を徹底解説します。求人票だけでは見えない「リアルな給料事情」がわかるようになりますよ。

💬 読者の声

転職サイトの求人票って「年収400万〜700万」みたいにレンジが広すぎて、実際いくらもらえるかわからない…。男女差も気になります。

そもそも男女賃金差の公表義務化とは?改正のポイント

2022年7月から、常時雇用労働者301人以上の企業に対して男女の賃金差異の公表が義務づけられていました。

しかし2026年4月の改正女性活躍推進法施行により、101人以上の企業にまで対象が拡大。さらに「女性管理職比率」の公表も義務化されます。

項目 改正前(〜2026年3月) 改正後(2026年4月〜)
対象企業 301人以上 101人以上
公表必須項目 男女賃金差異 男女賃金差異+女性管理職比率
公表区分 全労働者・正規・非正規 全労働者・正規・非正規(同じ)
公表先 自社HP等 企業データベース登録も義務化
法の有効期限 2026年3月末 2036年3月末(10年延長)

出典:厚生労働省 女性活躍推進法特集ページ

ポイント

・公表データは「女性の平均年間賃金÷男性の平均年間賃金×100」で算出される

・日本全体の男女賃金差は約75.2%(男性を100とした場合)で、OECD平均より低い水準

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チェック1:男女賃金差異の数値を確認する

企業が公表する「男女賃金差異」は、男性の平均賃金を100としたときの女性の割合で示されます。

たとえば「75.0%」と公表されている企業なら、男性の平均年収が600万円の場合、女性の平均年収は約450万円ということです。

日本企業全体の平均は約75%前後ですが、業界や職種によって60%〜95%と大きな差があります

チェック2:「正規」と「非正規」を分けて見る

公表データは「全労働者」「正規雇用」「非正規雇用」の3区分で開示されます。転職先の比較には「正規雇用」の数値だけを見るのがポイントです。

全労働者の数値は、パートタイマーの多い企業ほど差が大きく見えるため、正確な比較ができません。

チェック3:女性管理職比率とセットで見る

男女賃金差が小さくても、女性管理職が少ない企業は「昇進の天井」がある可能性があります。逆に、女性管理職比率が高い企業は長期的な年収アップが期待できます

チェック4:「えるぼし」認定の有無

厚生労働省の「えるぼし認定」を取得している企業は、女性活躍に積極的な証拠です。2026年からは新たに「えるぼしプラス」認定も始まります。

チェック5:求人票の「想定年収」と公表データを突き合わせる

求人票の年収レンジが「400万〜700万」なら、公表データの平均賃金と比較して自分がどのあたりに位置するかを推定できます。

注意点

・公表データはあくまで「平均値」。職種・等級ごとの詳細は含まれないので、面接時に確認するのがベスト

・賃金差異には残業代・各種手当も含まれるため、働き方の違いが反映されている場合もある

公表データはどこで見られる?3つの確認方法

男女賃金差異のデータは、転職前に無料で誰でもチェックできます。以下の3つの方法を覚えておきましょう。

方法1:女性の活躍推進企業データベース

厚生労働省が運営する女性の活躍推進企業データベースでは、企業名で検索するだけで賃金差異データを確認できます。

方法2:企業の公式サイト・IR情報

上場企業であれば、有価証券報告書にも男女賃金差異が記載されています。決算短信やサステナビリティレポートも要チェックです。

方法3:転職サイトの口コミ

OpenWorkやライトハウスなどの転職口コミサイトでは、実際の社員による年収情報が投稿されています。公表データと突き合わせることで、より正確な年収イメージがつかめます。

転職で年収を上げるための求人票の見方と交渉術

公表データを活用した上で、実際に年収を上げるための具体的な交渉ポイントをお伝えします。

求人票の「年収レンジ」は下限を基準に考える

求人票に「年収450万〜650万」と書かれている場合、未経験ポジションなら下限の450万円付近からのスタートが一般的です。上限に近い金額を得るには、即戦力レベルのスキルが必要です。

「みなし残業代込み」に要注意

基本給に固定残業代が含まれている場合、実質的な時給は表示より低い可能性があります。「月40時間分の固定残業代を含む」と書かれていたら、その金額を差し引いた基本給で判断しましょう。

面接で使える年収交渉フレーズ

💬 交渉例

「御社の男女賃金差異データを拝見し、女性が活躍できる環境だと感じました。私の経験年数とスキルを踏まえ、〇〇万円の年収を希望しておりますが、いかがでしょうか」

⚠️ 注意

年収交渉は内定後のオファー面談で行うのがベスト。一次面接でいきなり年収の話をすると、マイナス印象になりかねません。

業界別・男女賃金差の実態と狙い目業界

転職先の業界選びでは、男女賃金差が小さい業界を選ぶことも一つの戦略です。

業界 男女賃金差異(女性/男性) 特徴
IT・通信 約82% スキル重視で性別差が小さい
金融・保険 約62% 総合職・一般職の差が大きい
製造業 約68% 管理職比率の差が影響
サービス・小売 約76% 非正規比率が高く全体で差が出やすい
医療・福祉 約80% 資格職のため差が比較的小さい
コンサルティング 約85% 成果報酬型で差が小さい傾向

出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2024年)

IT・通信業界やコンサルティング業界は、スキルや成果が重視されるため男女差が比較的小さい傾向にあります。転職で年収アップを狙うなら、注目の業界です。

よくある質問(FAQ)

Q. 男女賃金差異が100%に近い企業は、確実に良い企業ですか?

A. 必ずしもそうとは限りません。管理職の女性が極端に少なく、同じ等級の社員だけで比較している場合もあります。女性管理職比率や、正規・非正規の内訳もあわせて確認しましょう。

Q. 101人未満の中小企業でもデータは公表されますか?

A. 2026年4月時点では101人以上が義務化対象です。ただし、100人以下の企業も任意で公表できるため、データベースに登録している中小企業もあります。

Q. 転職エージェントに男女賃金差のデータを聞いても大丈夫?

A. もちろん大丈夫です。むしろ公表義務化を知っていることをアピールすれば、「情報収集力がある候補者」として好印象を持たれることもあります。

Q. 男女賃金差が大きい企業に転職するのは避けるべき?

A. 一概には言えません。賃金差が大きい理由が「女性管理職がまだ少ない」であれば、逆に今後のポスト拡大チャンスとも言えます。差の「原因」を見極めることが大切です。

まとめ:公表データを武器に、納得のいく転職を

2026年4月からの男女賃金差公表義務の拡大は、転職者にとって「企業の給与実態を事前に知れる」という大きな武器になります。

まとめ

・2026年4月から101人以上の企業に男女賃金差異+女性管理職比率の公表が義務化

・転職時は「正規雇用」のデータに絞って企業比較するのがコツ

・公表データは厚労省データベースで無料で閲覧可能

・年収交渉では公表データを根拠に具体的な金額を提示するのが効果的

求人票の「見かけの年収」に騙されない目を養って、あなたにとって本当に良い転職先を見つけてください。

出典:女性の活躍推進企業データベース(厚生労働省)内閣府男女共同参画局