「定年が65歳になったって聞いたけど、給料はどうなるの?」

そんな疑問を持つ50〜60代の方が急増しています。2025年4月から65歳までの雇用確保が全企業に義務化されましたが、実態は「給与が大幅ダウン」するケースがほとんどです。

この記事では、改正の中身・給与の現実・年金との組み合わせ術を徹底解説します。

👨‍💼 60歳以降 収入シミュレーター

60歳時の給与を入力して、65歳まで継続雇用で働いた場合の総収入を試算します。







2025年4月の法改正で何が変わった?

2025年4月から、高年齢者雇用安定法の経過措置が終了し、すべての企業が65歳までの雇用確保措置を取ることが義務になりました。

企業が選べる措置は以下の3つです。

措置の種類 内容 実態
①65歳定年延長 定年を65歳に引き上げる 大企業・公務員に多い
②継続雇用制度 60歳定年後に再雇用or勤務延長 中小企業の約7割がこれ
③定年廃止 定年制度自体をなくす 一部のベンチャー・中小のみ

ポイント:「働ける権利」と「給与維持」は別の話

・65歳まで働ける「権利」は保証されましたが、給与水準は企業が決めます

・希望すれば65歳まで雇用されますが、条件交渉は自分でしなければなりません

再雇用後の給与の現実:定年前の50〜70%に下落

多くの企業が採用している「再雇用制度」では、60歳で一度退職し、嘱託・契約社員として再雇用されます。

再雇用後の給与は定年前の50〜70%に下がるケースが多いのが現実です。

💬 読者の声

「定年前は月35万円だったのに、再雇用後は21万円になった。同じ仕事をしているのに…」(62歳・男性・製造業)

なぜ給与が下がるのか?主な理由は以下の通りです。

・退職金の支払い後のため、人件費総額を調整している
・管理職ポストから外れ、一般職扱いになる
・年功序列賃金の適用外となる

高年齢雇用継続給付:2025年4月から給付率が縮小

60歳以降に賃金が75%未満に下がった場合、「高年齢雇用継続給付」という補填給付があります。

しかし、2025年4月から給付率が最大15%→最大10%に縮小されました。将来的には廃止の方向で検討されています。

⚠️ 注意

高年齢雇用継続給付は65歳になると受給できなくなります。また、65歳以降の「就業確保措置(70歳まで)」は現時点では努力義務です。65歳以降の雇用継続は保証されていません。

在職老齢年金との組み合わせが鍵

65歳以降も働く場合、2026年の在職老齢年金改正で月62万円まで年金が減額されないようになりました。

60〜64歳の方は、在職老齢年金の支給停止基準が月50万円に引き上げられています。

給与+年金で受け取れる月収の目安例(65歳・年金月15万円の場合):

・給与月20万円 → 合計35万円(停止なし)
・給与月47万円 → 合計62万円(停止なし・上限ギリギリ)
・給与月50万円 → 合計65万円(超過分の年金一部停止)

注意点:社会保険料も引き続き発生

・65歳以降も会社員なら健康保険・厚生年金に加入し続けます

・年金を受け取りながら厚生年金保険料を払うことになります

・退職後は国民健康保険への切り替えが必要(保険料が上がる場合も)

65歳以降を見据えた収入戦略3つ

① リスキリング補助金でスキルアップ
厚生労働省の「教育訓練給付制度」を使えば、資格取得費用の最大70%が補助されます。定年前から資格を取っておくと再雇用交渉での条件改善につながります。

② 副業・フリーランス化
再雇用後の給与ダウンを副業で補う方法です。会社の副業規定を確認した上で検討しましょう。副業の経費控除で税金を減らす方法も参考に。

③ 失業給付を最大活用
定年退職後に再雇用に応じない場合、失業給付を受け取ることができます。失業給付を2倍受け取る方法も確認しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

💬 Q. 65歳まで働きたくない場合はどうなりますか?

義務化されたのは企業側の「雇用機会の提供」であり、労働者側に義務はありません。60歳で通常退職し、失業給付や早期年金受給を選択することも可能です。

💬 Q. 再雇用後の給与条件は交渉できますか?

交渉は可能です。ただし法律上、企業は「合理的な理由があれば」低い賃金を設定できます。自分のスキルや実績を整理し、交渉材料を持って臨みましょう。

💬 Q. 65歳以降の「70歳までの就業確保措置」とは?

2021年4月から「努力義務」として70歳までの就業機会確保が求められています。現時点では義務ではありませんが、大企業を中心に対応が進んでいます。

💬 Q. 再雇用後も退職金はもらえますか?

通常の退職金は60歳定年時に支払われます。再雇用後の契約期間終了時には、会社の規定によりますが追加の退職金が出ないケースがほとんどです。

まとめ:65歳雇用義務化で変わること・変わらないこと

・変わること:希望すれば65歳まで働ける権利が全員に保証された

・変わらないこと:給与水準・雇用形態・労働条件は企業次第

・準備すること:副業・リスキリング・年金との最適化戦略を今から立てる

申請するだけでもらえるお金も見直してみましょう。申請しないともらえないお金10選で見落としがないか確認を。

参考:厚生労働省 高年齢者雇用安定法