4月からパートでも社会保険に入らないといけないの?

2026年4月から、社会保険の適用拡大がさらに進みます。これまで従業員51人以上の企業が対象でしたが、4月以降は企業規模の要件が撤廃され、より多くのパート・アルバイトが社会保険の加入対象になります。

「手取りが減る」と不安に思う方も多いでしょう。しかし、将来の年金額が増えるというメリットもあります。この記事では、加入条件・手取りの変化・メリットとデメリットをわかりやすく解説します。

💬 読者の声

「パートで月8万円ぐらい稼いでいるけど、社会保険に入ることになるの?手取りはどれくらい減る?」

⚠️ 注意

この記事は2026年3月30日時点の情報に基づいています。詳しい加入条件は、お勤め先の人事部または最寄りの年金事務所にご確認ください。

2026年4月の社会保険適用拡大|何が変わる?

まず、何がどう変わるのかを整理しましょう。

項目 2024年10月〜 2026年4月〜
企業規模の要件 従業員51人以上 撤廃(全企業対象)
週の所定労働時間 20時間以上 20時間以上
月額賃金 8.8万円以上 8.8万円以上
雇用期間の見込み 2ヶ月超 2ヶ月超
学生除外 あり あり

最大のポイントは企業規模の要件が撤廃されること。これまで「うちの会社は50人以下だから関係ない」と思っていた方も、4月から対象になる可能性があります。

ポイント

・従業員数に関係なく、すべての企業が対象に

・週20時間以上+月8.8万円以上で加入対象

・新たに約200万人が対象になると推定

加入条件を詳しく解説|あなたは対象?

「自分は対象になるの?」と気になる方のために、4つの条件を詳しく見ていきましょう。

条件1: 週の所定労働時間が20時間以上

「所定労働時間」とは、契約上の労働時間のことです。残業は含みません。例えば、週4日×5時間=20時間であれば該当します。

条件2: 月額賃金が8.8万円以上

残業代・賞与・交通費を除いた基本給で判定します。年収に換算すると約106万円が目安です。

条件3: 雇用期間が2ヶ月を超える見込み

2ヶ月以上の雇用契約があれば該当します。「2ヶ月以内の短期バイト」は対象外です。

条件4: 学生ではないこと

昼間学生は原則対象外です。ただし、定時制・通信制の学生は対象になることがあります。

注意点

・4つの条件をすべて満たす場合に加入対象

・ダブルワークの場合は、それぞれの事業所ごとに判定

・「106万円の壁」は手取り減の分岐点として注目されている

参考: 日本年金機構 公式サイト

手取りはどれくらい減る?具体的なシミュレーション

社会保険に加入すると、健康保険料と厚生年金保険料が給与から天引きされます。具体的にどれくらい手取りが減るのか見てみましょう。

月収 社会保険料(月額) 手取り減少額(月額) 年間の影響
8.8万円 約1.3万円 約1.3万円減 約15.6万円減
10万円 約1.5万円 約1.5万円減 約18万円減
12万円 約1.8万円 約1.8万円減 約21.6万円減
15万円 約2.2万円 約2.2万円減 約26.4万円減

月収8.8万円の場合、手取りは約7.5万円に。年間で約15.6万円の減少です。この数字だけ見ると大きく感じますよね。

💬 読者の声

「年間15万円も手取りが減るのは正直キツい…でもメリットはあるの?」

社会保険加入のメリット5つ|損ばかりではない

手取り減少のデメリットに目が行きがちですが、社会保険加入には大きなメリットもあります。

まとめ

将来の年金額がアップ: 厚生年金に加入することで、老齢基礎年金に上乗せで老齢厚生年金を受給できる

傷病手当金: 病気やケガで働けなくなった時、給与の約2/3が最長1年6ヶ月支給

出産手当金: 出産前後の休業中に給与の約2/3が支給

障害厚生年金: 障害を負った場合の年金が手厚くなる

遺族厚生年金: 万が一の時、遺族への年金が増える

特に大きいのが傷病手当金です。国民健康保険にはこの制度がないため、社会保険加入者だけの特権と言えます。

年金はどれくらい増える?

例えば、月収10万円で20年間加入した場合、年間で約13万円の老齢厚生年金が上乗せされます。長生きするほど「元が取れる」計算です。

ポイント

・社会保険料の半額は会社が負担してくれる

・国民年金だけの人より将来の年金が確実に増える

・「損得」だけでなく「保障の充実度」で考えることが大切

「働き損」を避けるには?賢い働き方のコツ

社会保険加入で手取りが減る「働き損ゾーン」を避けるための戦略を解説します。

戦略1: 思い切って年収150万円以上を目指す

中途半端に年収106万円前後にとどまるのが最も損。年収150万円以上まで稼げば、社会保険料を払っても手取りは確実に増えます。

戦略2: 現在の働き方を維持して壁を超えない

週20時間未満に調整すれば加入対象外になります。ただし、今後の法改正でさらにハードルが下がる可能性もあるため、永久に避け続けるのは難しいかもしれません。

戦略3: メリットを最大限に活かす

加入を前提にして、傷病手当金や出産手当金の権利を得ると考えれば、保険料は「将来への投資」です。

年収ゾーン 状況 おすすめ戦略
〜105万円 加入対象外 現状維持でOK
106〜130万円 「働き損」ゾーン 150万円以上を目指すか、106万円未満に調整
150万円〜 手取りが確実に増加 社会保険のメリットを最大活用

⚠️ 注意

「年収の壁・支援強化パッケージ」により、手取り減少分を補填する制度があります。詳しくはお勤め先の人事部にご確認ください。

参考: 厚生労働省 公式サイト

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あなたの時給・週の勤務時間・企業規模を入力するだけで、社会保険の加入判定と手取りの変化がわかります。

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よくある質問(FAQ)

Q. 配偶者の扶養に入ったまま働けなくなる?

社会保険に加入すると、配偶者の扶養(第3号被保険者)から外れます。ただし、自分で社会保険に入ることで保障が手厚くなるため、一概に損とは言えません。

Q. 社会保険料はいくら?

月収8.8万円の場合、健康保険料+厚生年金保険料で約1.3万円/月が目安です。なお、保険料の半額は会社が負担するため、自己負担はこの金額です。

Q. 拒否できる?加入は義務?

条件を満たす場合、加入は義務です。個人の意思で拒否することはできません。事業主にも加入手続きの義務があります。

Q. ダブルワークの場合はどうなる?

それぞれの事業所ごとに加入条件を判定します。両方で条件を満たす場合は、両方で社会保険に加入し、主たる事業所を届け出ます。

まとめ|「手取り減」だけで判断しないで

2026年4月からの社会保険適用拡大は、パート・アルバイトの働き方を大きく変える制度改正です。

まとめ

・企業規模の要件が撤廃され、全企業が対象に

・週20時間以上+月8.8万円以上で加入対象

・手取りは月1.3〜2.2万円程度減少する

・将来の年金増・傷病手当金・出産手当金のメリットは大きい

・「働き損」を避けるなら年収150万円以上を目指すのが賢い

目先の手取り減少だけで判断せず、将来の年金や保障の充実という視点で考えることが大切です。不安な方は、お勤め先の人事部や最寄りの年金事務所に相談してみてください。