簡易水冷エア噛みは、ポンプ内に空気が混入し冷却性能を低下させる現象です。エア噛みが発生するとポンプの空転を引き起こし、異音や冷却不足の原因となります。
この記事では、簡易水冷エア噛みの原因と対策について詳しく解説し、エア噛みを防ぐための設置方法や配管方法について紹介します。
適切な知識を身につけることで、エア噛みを防ぎ、安定した冷却性能を維持するためのヒントを得ることができます。
- 簡易水冷の異音
- エア噛みの対策
- 冷却性能の維持
簡易水冷エア噛みの原因と対策

簡易水冷エア噛みって何?

簡易水冷エア噛みとは、ポンプ内に空気が混入し、冷却性能が低下する現象を指します。ポンプの空転を引き起こし、冷却効果が著しく落ちる原因となるため、システムの安定性を損なう可能性があります。

エア噛みが発生する原因

エア噛みが発生する主な原因は以下の通りです。
- 配管内に空気が残っていること
- 冷却液の補充時に空気が混入したこと
- ポンプやラジエーターの設置位置が適切でないこと
これらの要因が組み合わさると、システム内で気泡が発生しやすくなります。
ポンプの空転による冷却性能の低下

ポンプが空転すると、冷却液が循環せずにポンプ内部で回るだけになります。この結果、冷却性能が大幅に低下し、CPUやGPUの温度が上昇します。これを防ぐためには、ポンプ内に空気が入らないようにすることが重要です。
エア噛みが引き起こす異音とその対策
エア噛みによって発生する異音には、カリカリ音やカラカラ音があります。これらの音は非常に不快であり、システムの異常を示すサインです。対策としては、ポンプの回転数を調整したり、設置位置を変更することが効果的です。
ラジエーターの位置関係の重要性
ラジエーターとポンプの位置関係は非常に重要です。ラジエーターの頂点をポンプより高い位置に設置することで、ポンプ内にエアが溜まりにくくなります。この設置方法を守ることで、エア噛みを防ぐことができます。
エア噛みを防ぐための設置方法
エア噛みを防ぐためには、以下の点に注意して設置を行いましょう。
- ラジエーターをポンプより高い位置に設置する
- ポンプに接続するチューブは下側から取り付けること
- 配管内にエアが残らないようにエア抜きを徹底する
ポンプ内のエア抜きの徹底方法
エア抜きを行う際は、ポンプを揺らして内部のエアを排出します。さらに、ポンプ単体で動作させてエア抜きを確認することも重要です。これにより、エア噛みを防ぎ、安定した冷却性能を維持できます。
簡易水冷エア噛みを防ぐ配管方法

吸込み側配管の注意点
吸込み側の配管は、エア噛みが発生しやすい部分です。ここでは、空気が混入しないようにするための注意点を説明します。
鳥居配管を避ける理由
鳥居配管とは、配管が上がった後に下がる形状のことです。この配管方法では、空気が配管の高い部分に溜まりやすく、エア噛みの原因となります。したがって、鳥居配管は避けるべきです。
下り勾配配管の問題点
下り勾配配管は、ポンプに向かって配管が低くなる配置です。これもエア溜まりの原因となるため、基本的には避けるべきです。上り勾配にすることで、空気が自然に抜けるように配管しましょう。
フートバルブの正しい取り付け方法
フートバルブを使用する場合、正しい向きに設置し、動作状況をしっかりと点検します。これにより、弁が閉まらず空気が流入するのを防げます。
配管接続部からのエア流入防止
配管の接続部分は、空気が入り込みやすい箇所です。フランジ接続を使用するか、ねじ込み配管の場合は適切にシールを行い、エアの流入を防ぎましょう。
吐出し側でのエア抜きバルブ活用
ポンプの吐出し側では、エア抜きバルブを使用することでエアを効果的に排出できます。鳥居配管や密閉容器の最頂部に設置することで、エア噛みを防ぐことができます。
バルブや異径管の接続ポイント

バルブや異径管を接続する際は、バルブを寝かせて設置し、異径管には偏心管を使用することで、エア溜まりを防ぎます。これにより、エア噛みのリスクを減らすことができます。
これらのポイントを押さえることで、簡易水冷のエア噛みを防ぎ、安定した冷却性能を維持できます。適切な設置とメンテナンスを行い、快適なPC環境を保ちましょう。
【まとめ】

- 簡易水冷エア噛みは冷却性能を低下させる
- エア噛みは配管内や冷却液補充時に空気が混入することで発生
- ポンプの空転は冷却効果を著しく低下させる
- ラジエーターをポンプより高い位置に設置することが重要
- 吸込み側配管は空気が混入しやすいため、配管方法に注意
- 鳥居配管や下り勾配配管は避けるべき
- フートバルブの正しい設置と配管接続部のシールが重要
- エア抜きバルブの活用で効果的に空気を排出
- バルブや異径管の接続時に注意し、エア噛みを防ぐ
- 適切な設置とメンテナンスで安定した冷却性能を維持